「ミライの約束を」Aqours 6th 東京ドームDay.1 感想
去る6月25日、「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~ <WINDY STAGE>Day.1」に参戦しました。
Aqoursのライブにはコンスタントに参加してましたが、今回はあまりに感情が高まりすぎてしまったので、久々にブログを書かせて頂こうと思います。Aqoursのライブの感想を綴るのは3rdライブ以来のようです…
今回はセットリストやメンバーのMC、そしてAqoursの歩みを辿りつつ、今後のAqoursがどういった夢を魅せてくれるのかについて、お話していこうと思います。
Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~ <WINDY STAGE>
《Day.1 セットリスト(黒字はDay.2)》
M01 なんどだって約束!
M02 未体験HORIZON
MC
M03 DREAMY COLOR⇔Future flight
M04 Awaken the power (1年生Ver.)⇔ハミングフレンド(1,2年生Ver.)
M05 未熟DREAMER (3年生Ver.)⇔空も心も晴れるから
M06 OKAWARI Happy life!※ソロ曲は日替わり
M07 Love Spiral Tower※
M08 1STAR※
M09 MOTTO-ZUTTO be with you※
幕間・オケ
M10 KOKORO Magic “A to Z”
M11 GEMSTONE “DE-A-I”
MC
M12 Next SPARKLING!!
M13 i-n-g, I TRY!!
幕間・オケ
M14 KU-RU-KU-RU Cruller!
M15 Deep Resonance
MC
M16 心の羽よ君へ飛んでけ!⇔キセキヒカル
M17 Brightest Melody⇔想いよひとつになれ
M18 smile smile ship Start!
《ENCORE》
幕間
EN01 君のこころは輝いてるかい?
MC
EN02 SUKI for you, DREAM for you!
(WEN01 なんどだって約束!(Day.2のみ))
今回の東京ドームのセットリスト、特筆すべきは以下の三点に絞られると思います。
- 「TVアニメ ラブライブ!サンシャイン!!」への区切り
- ”今日までのAqoursの形と今日からのAqoursの形”
- 4年前と変わらない東京ドームへのリスペクトと”いつものAqoursの形”
この三点を中心に展開させて頂きます。
「TVアニメ ラブライブ!サンシャイン!!」への区切り
今回のライブ、最も重要なポイントはここだと考えています。
6thライブは名古屋、埼玉、東京でのツアーでした。
名古屋のラストは1期「MIRAI TICKET」、埼玉のラストは2期「WONDERFUL STORIES」、そして東京ドームでは映画「Brightest Melody」「Next SPARKLING!!」に加え、これまで披露されていなかったアニメ関連の楽曲(「i-n-g, I TRY!!」「GEMSTONE “DE‐A‐I”」)を披露し切り、アニメシリーズに一つのケリを付けています。
その証拠として、これまでTVアニメの終盤曲が選ばれてきた本編ラストの楽曲に、「smile smile ship Start!」が選抜されています。これは紛れもなく、Aqoursの新たな出発を示すものであるでしょう。
また、これまでアニメ挿入歌をライブで演る際は、その楽曲が歌われるまでのアニメストーリーを大切にしていました。例えば6thライブでは「MIRAI TICKET」や「WONDERFUL STORIES」がアニメ終盤の曲であったことと同様、ライブでも終盤での披露となっています(参考①、参考②)。
一方で、それを打ち破り始めたのもこの6thライブでした。
東京ドームのセトリで言えば、アニメAqours最後の曲「Next SPARKLING!!」を中盤に持ってきたのがその象徴です。この傾向はカウントダウンライブからもありましたね(Aqoursパートの開幕曲はWBNWでした)。
また「Awaken the power」「未熟DREAMER」もアニメストーリー上では大きな役目を果たしただけに、ライブで披露するタイミングやセトリ上の位置は、これまでかなり慎重に決められていた印象があります。東京ドームではそれらを学年曲として、Atpに至ってはSaint Snowも居ない形で披露しています。
このように、アニメストーリーという規制に囚われない曲配置を実現させたことで、柔軟なセットリストの構成を可能にしました。
思えば「TVアニメ ラブライブ!サンシャイン!!」は2期でさえ、もう5年近く前のものとなっています。正統アニメが終了したグループがまだ活動を続けていくことは、ラブライブ!シリーズにとっては初めてのことです。
メンバーの意向にもあるように、”Aqoursが今後もライブ活動を続けていく”上で、アニメに沿った構成を続けていくことは、セトリのマンネリ化を引き起こす可能性もあるでしょう。
これからもAqoursを続けていく。アニメストーリーから脱却したライブ構成は「Aqoursがラブライブ!サンシャイン!!を創っていく」ことへの充分な証明であったと思います。
この東京ドームでのライブは、「Aqoursがラブライブ!サンシャイン!!を続けるために、これまでのラブライブ!サンシャイン!!を終わらせにきた」が、大きなテーマだったのではないでしょうか。
今日までのAqours、今日からのAqours
セットリストに関してはまだもう少し。
今回の東京ドーム公演では、「青空Jumping Heart」がワンマンライブでは初めて、セットリストから外れました。これは前述の”アニメとの決別”とは、また違う意味を持っていると考えています。
青ジャンはAqoursの名刺代わりであり、代表曲であり、ライブ定番曲。何より4年ぶりの東京ドーム公演なのに、この曲をセトリから外すのは大きな決断です。
これは、「鉄板曲が来なければ盛り上がれない」というのが当たり前となっている音楽ライブに対する、挑戦でありアンチテーゼでもあるのかな…など思っています。「青ジャンが無くてもこんなにAqoursらしいライブを作れるんだぞ!」という、新たな道を進み始めたAqoursからみなぎる自信すら感じます。
また、過去のセトリに囚われない曲配置も、ライブ構成の幅を広げています。前述の”アニメストーリーに囚われない曲配置”と似ていますが、例えば、これまで〆の曲として歌われていた「太陽を追いかけろ!」「Future flight」を早々に組み込んでいますね。
いずれも”毎回同じような構成が生まれてしまう”という、活動を長期的に続けるに当たっての、マンネリ化対策の側面も含んでいるのでしょう。
しかし、Aqoursの自信がなければ、こういった構成は中々できるものではないと思います。それだけAqoursが、今の自分たちのライブに誇りを持ち、ファンを信頼して組み上げたライブであったと言えるでしょう。(この「敢えて鉄板曲を演らない」という行為については、ブランディングの視点から研究する価値があると考えています。)
Aqoursの活動は、コロナ禍の影響をモロに食らっています。
2次元コンテンツとしては初の五大ドームツアー(含埼玉)は全公演中止、5周年記念の野外ライブも直前の中止。Aqoursの有観客ワンマンライブは、2019年6月の5thライブを最後に、2021年末のDREAMY CONCERTまで、2年半開催が叶いませんでした。
その間も新曲のリリースは続き、楽曲だけが溜まっていくという状況。本来進めたかったAqoursの駒は中々動けず、ファンも「どうするの、これ」という状況でした。
「一度東京ドームが遠のいてしまい、また東京ドームに戻ってこれるか分からなかった」という逢田梨香子さんの言葉から、運営やメンバーも同じことを想っていたでしょう。
しかし、幻のドームツアーでAqoursが立てたかった今後の方針は、今回の6thライブで概ね達成できたように思えます。
先程の”アニメに区切りをつけてきた”もそうですが、幻のドームツアーでやりたかった”Aqoursの今後の道を示す”というミッションをようやくクリアし、本来進んでいくはずだったAqoursの道へ軌道修正したライブだったと思います。
これがAqoursの真の”再始動”と呼べるでしょう。
4年前と変わらない東京ドームへのリスペクトと”いつものAqoursの形”
ここまでの話では、”Aqoursのライブが変革を迎えた”というような内容でしたが、今回のライブではこれまでと変わらなかった、いわば”Aqoursの信念”もハッキリと浮かび上がりました。
開幕の「何度だって約束!」、ラストの「SUKI for you, DREAM for you!」はその象徴でした。
いつか…それは今だった
待ってた この日を待ってたよ
遠く離れてたときも
ココロはずっと一緒だったと
Aqours「何度だって約束!」
4年前の東京ドームで交わした「また東京ドームへ戻ってくる」という約束、いや、それよりも「何度だって約束!」には、失われた2年間を経ての再開を祝う意味も、間違いなく含まれています。こうして見ると、Aqoursの歌詞は本当にストレートで潔いですね…
このライブ、Aqoursからファンへ何よりも伝えたかったことは、最後の「SUKI for you, DREAM for you!」で爆発しています。この曲を一貫してアンコールラストに据えてツアーを進めてきたことからも、Aqoursのそのまっすぐな姿勢に、苦しいくらい胸をうたれます。
好きだって 好きだって 好きだって思うから
伝えたくなっちゃう
分かちあえたら嬉しいよ
Aqours「SUKI for you, DREAM for you!」
2日間の東京ドーム、Aqoursを応援している人からしたら、これ以上ないほど幸せで温かい時間が過ぎていきました。
変わっていくことも多くあったこのツアー。その中でも、ライブを通じて変わらなかった”Aqoursの信念”。それはAqoursとファンが感じ取る、お互いを想う気持ちそのものだったのではないでしょうか。
あとがき
Aqoursのライブにはコンスタントに参戦してきた、と前述しましたが、ナンバリングライブの中で参戦(ライブビューイング込み)したのは2nd、ファンミ、3rd、函館UC、アジアツアー、5th、ドリコン、カウントダウン、6th埼玉という感じ。
実は最初の東京ドームである4thライブは色々あってLVすら見に行かず、後からセトリを知って大後悔しています。その後悔を晴らす面でも、この東京ドーム公演には参戦する意思を固めていました。
一方で、5thが終わってドームツアーや野外ライブが中止となり、表現の場が失われていたAqoursを見ていても、「続けていくとはいえ、新曲は出ても何がしたいんだろう」と思っていました。しかしそれは大きな間違いで、この6thツアーを通してAqoursの明確な未来への道が開けたと強く感じました。
Aqoursの次の目標が「三度目の東京ドーム」となった今、今後のAqoursの展開や活躍には、期待しかないです。来年のEXTRAライブまで時間がありますが、絶対に参戦します。
長い記事となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。